【決算・開示コラム】[法人税と消費税の異同点4~受取配当等~]

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COLUMN 決算・開示コラム

2015/09/28

法人税と消費税の異同点4~受取配当等~

公認会計士・税理士の畑中 数正です。
法人税と消費税の異同点の第4回目です。

法人税と消費税で取扱いが異なる点は
細かい事項も考慮すると100を超えるとされています。

これほど違いが生じているのは、
法人税は各事業年度の所得に対して課税される税金であり、
消費税は課税資産の譲渡等という取引に対して課税される税金であるという、
本質的な違いがあるためです。

本日から、具体的な取引について取扱いが異なる項目について
ご紹介したいと思います。

【受取配当等】


○取引例
所有する株式の配当金100万円の支払いが確定し、
後日、源泉所得税等が控除された金額の支払いを受けた場合


 

○法人税の取扱い
・法人税では別段の定めがあるものを除き、
? 資本等取引以外の収益が課税の対象となる(法人税法第22条第2項)。
・ただし、法人が配当等を受ける場合には、
? 法人が保有する株式等に係る配当等の区分に応じた額が
? 益金不算入となる制度(受取配当等の益金不算入)あ(法人税法第23条)。
⇒受取配当金100万円が益金として課税対象となるが、
? ? 株式等の区分に応じた額が益金不算入となる。

○消費税の取扱い
・消費税の課税対象は「事業として対価を得て行われる資産の譲渡等」であり
? (消費税法第2条第1項第8号)、
? 剰余金の配当など株主の地位に基づき出資に対する
? 配当又は分配として受け取るものであることから、
? 受取配当等は資産の譲渡等の対価とは言えず、消費税の課税対象とならない
(不課税取引)(消費税法基本通達5-2-8)。
⇒株式の配当金100万円は不課税取引

【受取配当等の取扱い】

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次回は、「寄附金」についての相違点です。

▼詳細については下記をご参照ください。
今回紹介した取引例以外の取扱いについても取り上げています。
・「法人税と消費税の異同点2~各論(収益、費用)~」

 

公認会計士・税理士
畑中 数正

(関連記事)
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