【決算・開示コラム】[子会社管理のABC、D??]

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COLUMN 決算・開示コラム

2014/02/12

子会社管理のABC、D??

おはようございます。公認会計士の畑中 数正です。

前回【それなりに重要だけど、そんなに重要ではない子会社のお話】という投稿で、
子会社管理は「中位に重要な子会社で、モデルケースを作ることが大切」
とお話しました。

では、そもそも「中位に重要な子会社」はどのように選定すべきか?
今回はそんなお話をしたいと思います。

 

子会社の区分を考えるとき、
「重要な子会社」と「重要でない子会社」という
分け方をすることが多くあります。
しかし、この分け方、実は非常にアバウトで認識齟齬を招きます。

 

例えば「重要でない子会社」というと、
連結範囲に含まれている子会社の中で規模が小さい会社を想定することもあれば、
そもそも非連結子会社を想定することもあります。

「重要なんだから連結範囲に含まれているんだよ」という前提に立つならば、
連結範囲に含まれている子会社は全て「重要な子会社」になります。

このように「重要か」「重要でないか」という言葉だけで分けると
受け手の考え方によってバラつきが出ます。

 

そこで、子会社の重要度を判定する際は、
「子会社のカテゴリー定義」を具体的に決め、「定量的に分ける指標を定めること」、を
弊社のクライアントにはお勧めしております。

 

例えば、「子会社のカテゴリー定義」としては、
Aランク:連結範囲に含まれ、全社的に重要性のある子会社
Bランク:連結範囲に含まれ、特定の勘定科目に重要性のある子会社
Cランク:連結範囲に含まれるが、全勘定科目ともに重要性のない子会社
Dランク:連結範囲に含まれない子会社
として分けます。

そして「定量的に分ける際の指標」の具体例としては
監査・保証実務委員会報告第 52 号
連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則の適用等 に係る監査上の取扱い」を参考に、
1.総資産
2.売上高
3.当期純利益
4.利益剰余金
を利用すると、客観性が保てます。

あとは各社連結範囲を決めている際に利用している掛率を用いて、
指標1-4の基準額を決定し、子会社をA-Dランクに割り振る。

例えば、指標1-4に照らして
3つ以上重要性ありとされた場合はAランク
1~2つ以上重要性ありとされた場合はBランクにして
重要な勘定科目を設定する、などなど。

 

もちろん、これに加えて、会社の特殊事情(質的重要性)を加味して
カテゴリーを調整することも必要です。

このようにカテゴリー分けした子会社のうち、
Aランクの最小規模の子会社か、
Bランクの大規模な子会社を、
「中位に重要な子会社」とするという感じです。

 

もちろんここに記載した内容は、かなり簡略化しているため、
会社の実情に合わせて調整が必要ですが、
基本的な考え方は不変です。

 

是非、子会社管理を行う際は、検討してみてください。

 

                                   公認会計士
                                   畑中 数正

(関連記事)
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