【決算・開示コラム】[福利厚生費の税務4~互助会への拠出金の取扱い~]

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COLUMN 決算・開示コラム

2019/04/01

福利厚生費の税務4~互助会への拠出金の取扱い~

公認会計士・税理士の畑中数正です。

引き続き、福利厚生費の税務に関するお話です。

本日は、従業員同士の相互扶助を目的とした団体である互助会への拠出金の取
扱いについてお話します。

互助会は、共済会や社員会と呼ばれることもあります。
従業員が会員となり、活動財源は会員からの会費と会社からの拠出金で賄うこ
とが一般的です。
互助会はその財源で、会員に対する慶弔金の給付、低利での金銭貸付、保養所
の運営などの相互補助活動などを行う仕組みとなっています。
会社の規模によって、互助会が法人格を取得して活動する場合と、法人格がな
い任意団体として活動する場合があります。

会社が互助会へ拠出金を支払った場合、互助会が会社と別個の存在と認められ
るかどうか
により税務上の取扱いが異なります。

●会社と別個の存在と認められない場合
 互助会に法人格がない場合で、互助会の事業経費の相当部分を会社が負担し、
かつ次の①~③のいずれかの事実がある
ときは、その互助会は会社と別個の存
在とは認められないと判定されます。

別個の存在と認められない場合には、互助会の事業に係る収益と費用につい
ては全額が母体となる会社の収益及び費用として計算します。
会社が互助会に拠出する金銭は、単なる内部取引となり、会社の外部への支
出となりませんので、拠出時には損金に計上できません。
 役員や従業員へ慶弔給付などを行った際に外部支出したことになり、そのと
きにはじめて母体となる会社の費用となります。

●会社と別個の存在と認められる場合
 互助会に法人格がある場合及び上記判定で「会社と別個の存在と認められな
い場合」とならなかった場合、
 会社が互助会に拠出する金銭は、会社の外部への支出となります。そのため、
その場合の拠出金は、拠出時に福利厚生費に計上し、拠出金の金額が「社会通
念上一般的に妥当である金額」の場合は全額損金算入できます。

 

▼詳細は下記国税庁ウェブサイトをご覧ください。
法令解釈通達「第2款 従業員団体の損益

公認会計士・税理士
畑中数正

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