【決算・開示コラム】[社葬の費用は会社の経費となるか?]

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COLUMN 決算・開示コラム

2016/10/26

社葬の費用は会社の経費となるか?

公認会計士・税理士の畑中 数正です。

会社の役員などが亡くなられた際に、社葬を行うことは珍しくありません。
社葬は、会社の発展に尽力した経営者や
業務遂行中に亡くなられた社員を悼むという本来の目的だけではなく、
会社の新体制が万全であることを世間にアピールする
会社の一大イベントでもあります。

さて、社葬に係る費用を会社が負担した場合、
社葬費用を経費とすることはできるのでしょうか?

社葬費用の法人税法上の取扱いについては、
①その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるかどうか
②その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる
    部分の金額かどうか

がポイントになります。

「社葬を行うことが社会通念上相当」かどうかの判断は、
故人の生前における会社への貢献度や死亡の状況などから
総合勘案します。

「社葬のために通常要すると認められる部分の金額」については、
例えば、密葬の費用、墓石、仏壇、位牌の費用など
明らかに故人の遺族が負担すべきである費用については認められず、
会葬のための費用が該当します。

①及び②に該当する社葬費用については、
「福利厚生費」としてその支出した日の属する事業年度の
損金の額に算入することができます。

なお、社葬後に行う食事、いわゆる「御斎(おとき)」の費用については
社葬費用に該当しないという判例(昭和60年2月27日裁決)があります。
この判例の中では「おとき」に係る費用のうち、


 取引先の者を対象とするもの      → 交際費
 現代表者の親族、友人を対象とするもの →  現代表者個人の負担


とすることが相当であることが明らかにされています。

 

▼詳細は下記国税庁ウェブサイトをご覧ください。
タックスアンサー「No.5389 社葬費用の取扱い」

公認会計士・税理士
畑中 数正

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