【決算・開示コラム】[どうなる?法人税実効税率引き下げ]

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COLUMN 決算・開示コラム

2014/06/17

どうなる?法人税実効税率引き下げ

公認会計士・税理士の畑中数正です。

 

先週、法人税の実効税率の引き下げを行うことが
事実上決まったというニュースがありました。

代替財源や引き下げ幅については調整中ですが、
来年度から段階的に法人税率の引き下げを実施し、数年で税率を20%台とすることを目標とするとのこと

今月末に閣議決定される「骨太の方針」に明記する考えです。

 

法定実効税率の引き下げは、
国際競争力の強化の観点から必要であると言われています。

たしかに、日本の法定実効税率は35.64%であり、
主要国の中ではアメリカ(カリフォルニア州)の40.75%に次いで高く、
フランスの33.33%、ドイツの29.55%、中国の25.00%などと比較しても高いです。
(2013年1月時点)

 

一方、実効税率引き下げの財源確保のため外形標準課税を強化する
という話がありますが、対象法人が中小企業に広げられた場合、
赤字の法人の税負担が増すことになりかねません。

 

実効税率の引き下げを優先するあまり
かえって景気全体に悪影響を及ぼすことがないようにしていただきたいものです。

▼参考記事
・財務省「法人所得課税の実効税率の国際比較」
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm

 

公認会計士・税理士
畑中 数正

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