【決算・開示コラム】[【日商簿記】平成29年11月から2級の試験範囲に連結会計が追加]

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COLUMN 決算・開示コラム

2016/12/08

【日商簿記】平成29年11月から2級の試験範囲に連結会計が追加

公認会計士・税理士の畑中 数正です。

先日、日商簿記検定に来年から「初級」が新設されることをご紹介しました。
(以前の記事は「【日商簿記】4級を廃止し初級新設へ」をご覧ください。)

今回も日商簿記に関する話題をご紹介します。

商工会議所は平成27年に日商簿記の2級の出題範囲について改訂を行い、
平成28年度以降の試験から段階的に適用することを公表していました。

そのうち、平成29年度の試験から試験範囲に含められることになっている
「連結会計」について試験範囲に追加される時期が公表されました。

連結会計が追加されるのは
平成29年11月に行われる第147回検定試験以降になります。

なお、連結会計以外の平成29年度から試験範囲に含められることになる
リース会計、課税所得の計算、圧縮記帳、外貨建取引については
平成29年度当初の試験(平成29年6月 第146回)から試験範囲に含まれます。

商工会議所のホームページではサンプル問題も掲載されています。
連結会計のサンプル問題をみたところ、問題には次の論点が入っていました。
資本連結開始仕訳、持分の変動なし)
のれんの償却
・内部取引の相殺消去
・債権債務の消去
・未実現利益の消去
・連結精算表の作成

連結会計は親子会社などの複数の企業体を1つの組織体とみなして
財務諸表を作成することを目的としています。

連結会計は商業簿記のカテゴリーに含まれるとはいえ、
企業グループを1つの組織とみなして会計を行うことや、
資本連結など連結会計ならではの論点も多いため、
それまでに勉強した簿記の知識の延長というより、
新しい分野を勉強すると思った方がいいかもしれません。

2級の資格を取得するという点だけみると、
連結会計が試験範囲に追加される前に受験する方が
合格しやすいことは間違いないと思います。

ただ、一定規模以上の会社における実際の経理実務では、
連結会計の知識があるにこしたことはないです。

2級を受験することで連結会計の基礎が習得できると考えれば、
難易度が上がるとしても2級を受験する意義が高まるのではないかと思います。

▼詳細は下記日本商工会議所ウェブサイトをご覧ください。
「簿記2級における連結会計の出題について」
「平成28年度以降の簿記検定試験出題区分表の改訂等について」
「2級・新規論点に関するサンプル問題」

公認会計士・税理士
畑中 数正

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