【決算・開示コラム】[「判決」と「裁決」の違いわかりますか?]

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COLUMN 決算・開示コラム

2018/12/01

「判決」と「裁決」の違いわかりますか?

公認会計士・税理士の畑中数正です。

たびたび耳にしたことがあり、何となく意味を理解していると思っている言葉でも、
似て非なる言葉があった際に、違いを説明できないことはありませんか。

「判決」と「裁決」の違いについてご存知でしょうか。

「判決」は民事訴訟や刑事訴訟に対する裁判所の判断をいいます。
一方、「裁決」は行政法上の法律関係の訴訟に対する審判所の判断をいいます。

両者は訴訟に対する判断という点では共通しますが、
訴訟の対象と判断を行う機関が異なります。

さて、裁決を行う機関に「国税不服審判所」があります。

国税不服審判所は、「国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を
行うことを目的」に設置された国税庁の特別の機関です。

税務署などが行った更正・決定などの課税処分や差押さえなどの滞納処分等に
不服があるとき、その処分や変更を求めて不服申し立てをすることができます。

不服申し立てでは、国税不服審判所長に対する「審査請求」と処分を行った
税務署長等に対する「再調査の請求」のいずれかを選択しますが、
「審査請求」が選択された場合、国税不服審判所で審査請求人と原処分庁の
各主張の間で争いのある点を中心に調査及び審理を行った上で裁決を行います。

裁決は、行政部内の最終判断となるため、処分を行った行政庁は裁決に不服があっても
訴訟を提起することはできません。

なお、国税不服審判所は国税局や税務署から分離された別個の機関として設置されています。
一定の手続を経て、国税庁長官通達に示された法令解釈に拘束されることなく裁決を
行うことができます。

▼国税不服審判所の詳細については下記のウェブサイトをご参考ください。
国税不服審判所
・国税庁「審判所の概要及び裁決事例

公認会計士・税理士
畑中数正

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