【決算・開示コラム】[年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合の留意点など]

財務、会計に関わる方々に向けた情報ポータルサイト

  1. CFO LIBRARY ホーム
  2. 決算・開示コラム
  3. 年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合の留意点など

COLUMN 決算・開示コラム

2018/11/21

年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合の留意点など

公認会計士・税理士の畑中数正です。

本日も年末調整に関するお話です。

配偶者控除および配偶者特別控除の改正により、
年末調整に関する様式も変更されましたが、
「給与所得者の配偶者控除等申告書」についての質問が多いので、
今回は具体的な記載内容などについてご紹介したいと思います。

1.「給与所得者の配偶者控除等申告書」を提出する方
年末調整で配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けるためには、「給与所得者の配偶者控除申告書」を主たる給与の支払者に提出しなければなりません。

2.合計所得金額の見積額の計算表
 「給与所得者の配偶者控除等申告書」では、控除を受けようとする本人と控除対象となる配偶者について所得金額の見積額を所得区分ごとに記載しなければいけません。
(記載箇所は下記の図の赤枠部分)
この欄に記載した所得の見積額をもとに、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用可否を判断し、控除額の計算欄で控除額を計算することになります。

 

さて、合計所得金額の見積額については「どこまで正確に記載したらいいのか」
という質問が多いです。
 記載時点での見積額を記載しますので、見積額と実際の金額が多少前後することは
問題ありません。
ただし、記載した見積額に基づいて控除額が計算されるため、
見積額と実際の金額で適用される控除額が異なる場合には確定申告により
正しい控除額を受ける必要があります。

 

 また、「給与所得者の配偶者控除等申告書を提出し忘れてしまった場合には
どうしたらよいのか」という質問を受けることがあります。
この場合、年末調整で配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けることはできませんが、
控除が適用可能であれば確定申告により控除を受けることができます。
 ただし、給与を1か所から受け取っていて年末調整を受けることで手続きを完了
されている方で、給与所得以外の所得(20万円以下)がある方など、配偶者控除等を
年末調整ではなく確定申告で受けることにより納税額が増える場合もありますので
ご注意ください。

【参考:給与を1か所から受け取っている方で確定申告が必要な場合】
給与を1か所から受け取っている方が年末調整を受けている場合は、基本的には
確定申告は必要ありません。
ただし、次のような場合は申告が必要です。(税金が還付される場合もあります。)
●    ふるさと納税を行った場合(ワンストップ特例制度を適用しない場合)
●    医療費控除を受ける場合
●    マイホームの購入等により初めて住宅借入金等取得控除を受ける場合
●    株式の売買を行った場合
●    年末調整を行っていない場合
●    給与以外の所得が20万円以上ある場合 など

▼「給与所得者の配偶者控除等申告書」の記載例は下記国税庁ウェブサイト等をご覧ください。
給与所得者の配偶者控除等申告書の記載例

公認会計士・税理士
畑中数正

コラムカテゴリ一覧