【決算・開示コラム】[【国税庁】「令和3年度 査察の概要」を公表]

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COLUMN 決算・開示コラム

2022/06/29

【国税庁】「令和3年度 査察の概要」を公表

公認会計士・税理士の畑中数正です。

23日、国税庁が全国の国税局の査察部が令和3年度に摘発した悪質な脱税案件
の概要を公開しました。

「査察の概要」によると、令和3年度で査察事案に係る脱税額の総額は約102
億円で、そのうち検察庁に告発した分は約61億円とのこと。
新型コロナウィルスの影響により、告発件数及び脱税総額ともに減少していま
すが、告発率は72.8%と高水準でした。

令和3年度に検察庁に告発した件数は 75件であり、税目別の内訳では、法人
税43件、消費税21件、所得税9件、源泉所得税2件でした。なお、告発が多
かった業種には、建設業、不動産業、卸売業が挙げられています。

【重点事案として特に積極的に取り組んだ事案と告発事例】
令和3年度は、特に消費税事案、無申告事案、国際事案、時流に即した事案な
どの社会的波及効果が高いと見込まれる事案を重点事案として積極的に取り組
んだとのこと。
「査察の概要」では、実際に告発した事例の中からトピックとなる事案につい
て脱税の手口などが紹介されています。

〇消費税事案
・イベント企画会社の消費税不正受還付事案を告発
・化粧品等の輸出販売を装った消費税不正受還付事案を告発

〇無申告事案
・再生可能エネルギー設備工事の請負会社の無申告ほ脱事案を告発
・輸入雑貨等の通販を行う法人の無申告ほ脱事案を告発

〇国際事案
・海外法人を利用した国際的な不正スキーム事案を告発

〇その他の社会的波及効果の高い事案
・建設会社の元従業員の単純無申告ほ税事案を告発
・太陽光発電用地の売却代金を除外した法人税事案を告発
・学校法人の元理事長がリベート収入を除外した所得税事案を告発

国税局査察部は通称「マルサ」と呼ばれており、税務調査の中でも大口で悪質
な案件を扱う部署です。
今月23日に、国税庁がホームページに掲載したパンプレット「国税査察制度~
脱税は、犯罪。~」には、査察調査の意義や査察調査の流れが記載されていま
すので、こちらも併せてご参考ください。

▼詳細は下記国税庁ウェブサイトをご覧ください。
令和3年度 査察の概要(PDF)
パンフレット「国税査察制度~脱税は、犯罪。~」(令和4年6月)(PDF)

公認会計士・税理士
畑中数正

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