【決算・開示コラム】[令和3年4月1日より税込価格の表示(総額表示)が必要になります]

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COLUMN 決算・開示コラム

2021/03/12

令和3年4月1日より税込価格の表示(総額表示)が必要になります

公認会計士・税理士の畑中数正です。

消費税法では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合には、
税込価格(消費税額及び地方消費税額を含めた価格)を表示することを義務付
けています(総額表示義務)。
これは、同一の商品・サービスでありながら「税抜表示」の事業者と「税込表示」
の事業者が混在していると価格の比較がしづらいといったことを踏まえ、事前
に「消費税額を含む価格」を一目で分かるようにするという消費者の利便性に
配慮する観点から実施されたものです。

総額表示義務については、平成26年4月1日及び令和元年10 月1日の2度の
消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保及び事業者によ
る値札の貼り替え等の事務負担に配慮する観点から、特例が設けられ、平成 25
年 10 月1日から令和3年3月 31 日までの間、一定の要件の下、税込価格を
表示することを要しないこととされました。

この特例は令和3年3月 31 日に失効するため、令和3年4月1日以降は、消
費税法の規定に基づき、税込価格を表示することが必要となります。

総額表示の対象となるのは、「事業者が消費者に対して行う価格表示」です。
事業者が不特定かつ多数の者にあらかじめ価格を表示する場合に義務付けら
れ、店頭の値札や棚札などの他、チラシ、カタログ、新聞、テレビの広告など、
どのような表示媒体でも対象となります。

なお、取引に際して相手方に交付する請求書、領収書等における商品の価格の
表示は、不特定かつ多数の者にあらかじめ価格を表示しているものではないた
め、総額表示義務の対象とはなりません。

税込価格を表示する際に「税込価格である旨」の表示は必要なく、また、税込
価格に併せて「税抜価格」、「消費税額等」、「消費税率」等が表示されていても
差し支えありません。

【総額表示として認められる価格表示の例】
●  11,000 円
●  11,000 円(税込)
●  11,000 円(税抜価格 10,000 円)
●  11,000 円(うち消費税額等 1,000 円)
●  11,000 円(税抜価格 10,000 円、消費税額等 1,000 円)
●  11,000 円(税抜価格 10,000 円、消費税率 10%)
●  10,000 円(税込価格 11,000 円)

【総額表示に該当しない価格表示の例】
●  9,800円(税抜)
●  9,800円(本体価格)
●  9,800円+税

▼詳細については下記財務省ウェブサイト等をご覧ください。
令和3年4月1日以降の価格表示について

公認会計士・税理士
畑中数正

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