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2016/09/02
【平成29年度税制改正要望】企業内保育所に税優遇
公認会計士・税理士の畑中 数正です。
先週、平成29年度税制改正要望に関するニュースをいくつか目にしましたが、
その中で企業内保育所に税優遇に関する記事が個人的に気になりました。
今回要望に盛り込まれるのは、企業内保育所を新設する際に、
保育士の配置人数など一定の条件を満たした場合に
土地や建物の固定資産税や都市計画税の一部が減免されるという内容で、
これにより待機児童の解消を急ぐとのことです。
さて、企業内保育所(事業所内保育施設)とは、
企業が育児中の従業員のために
企業内または企業の近隣に設けられた保育施設です。
企業内保育所はいわゆる無認可保育所に分類されます。
企業内保育所を設ける企業側のメリットは
・ 離職の防止により安定的に人材を確保できる
・ 新規採用の際に他社との差別化を図れる
・ 従業員の満足度が高まり、業務の質の向上が望める
・ 企業のイメージアップ など
が挙げられます。
上記のように多くのメリットがありますが、
一方で企業内保育所の設置や運営には多くのコストがかかります。
設置後に思ったように利用者が増えず、
企業内保育所を維持することが難しくなり閉鎖される施設数も少なくありません。
厚生労働省が毎年公表している「認可外保育施設の現況取りまとめ」によると、
企業内保育所の施設数はここ数年で下記のように推移しています。
待機児童の問題が解消されていないわりに、
企業内保育所の施設数は微増にとどまっているという印象を受けます。
地方税の優遇が企業内保育所の増加にどれだけ影響があるのか興味深いです。
【参考】
・厚生労働省「平成26年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」
公認会計士・税理士
畑中 数正