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2016/07/29
税金の話~揮発油税~
公認会計士・税理士の畑中 数正です。
前回の記事で、日本で適用されている
税金の種類についてのお話をしました。
(前回の記事「日本の税金の種類」はこちらをご覧ください。)
今回から、あまり知られていない税金や、
よく耳にするけれど実際には知られていない税金を
ピックアップしてご紹介したいと思います。
本日は、『揮発油税』についてお話します。
揮発油税は揮発油税法に基づき課される税金(国税)です。
▼揮発油税が課される「揮発油」とは
揮発油は、「温度十五度において〇・八〇一七をこえない
比重を有する炭化水素油」であり、
具体的には、ガソリンやベンジンなどが該当します。
▼揮発油税の納税義務者
①揮発油の製造者
製造場から移出した揮発油につき揮発油税を納める義務があります。
②揮発油を保税地域から引き取る者
保税地域から引き取る揮発油税につき揮発油税を納める義務があります。
▼揮発油税の税率
揮発油1キロリットルにつき48,600円
※本則税率は、揮発油1キロリットルにつき24,300円。
ただし、現在は暫定税率(平成20年5月1日~平成30年3月31日)
が適用されています。
なお、揮発油税とは別に地方揮発油税という税金があります。
地方揮発油税は、揮発油税と同じく揮発油に課される税金で、
地方自治体に財源を譲与することを目的とした税金(国税)です。
地方揮発油税の税率は、本則では揮発油1キロリットルにつき4,400円ですが、
現在は暫定税率(平成20年5月1日~平成30年3月31日)により、
揮発油1キロリットルにつき5,200円が課せられます。
揮発油税と地方揮発油税を合わせて「ガソリン税」と呼ばれることがあります。
ガソリン1リットルでは、揮発油税48.6円と地方揮発油税5.2円の計53.8円
が課されている計算になります。
揮発油税と地方揮発油税は最終消費者が負担する税金なので、
ガソリン代はこの揮発油税や地方揮発油税が含まれた価格となっています。
今週のレギュラーガソリン価格の全国平均が消費税込で122.2円
(資源エネルギー庁「石油製品価格調査」より)でしたので、
価格の約4割超を揮発油税・地方揮発油税が構成していることになります。
ガソリンを購入する際に、
消費税以外に納税しているという意識はあまりないかもしれませんが、
揮発油税・地方揮発油税だけで年間でかなりの金額の納税をしている方も
多いのではないでしょうか。
▼詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。
・財務省「揮発油税等の概要(国税)」
公認会計士・税理士
畑中 数正
(関連記事)
日本の税金の種類