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2014/03/04
法人は増税前の駆け込み購入のメリットなし!
こんにちは。公認会計士・税理士の畑中数正です。
気が付けばもう3月。
消費税増税まで1か月をきりましたね。
増税前の駆け込み購入についての話題も増えてきました。
さて、駆け込み購入に関して会社の方からこんな質問を受けることがあります。
「我が社も増税前に消耗品などを前倒しで購入しておいた方がよいでしょうか?」
一見、同じ経費を支払うのであれば、消費税率アップ前の方が有利な気がしますが、
法人の場合、駆け込み需要にメリットはありません。
消費税はそもそも最終消費者である個人が負担する税金です。
法人は経費などの支払いの際にいったん消費税を支払いますが、
支払った消費税は経費ではなく「仮払消費税」に計上します。
そして売上で預かった「仮受消費税」から「仮払消費税」を
差し引いた額を税務署に納めます。
仮に支払った消費税が預かった消費税より多かったとしても
その場合は還付を受けることになります。
このように法人が消費税を負担することはないため
税率が変わったとしても負担関係に影響はありません。
むしろ資金繰りの観点から言えば、
キャッシュ・アウトは可能な限り後回しの方が有利ですので、
ますます法人にとって駆け込み購入するメリットはないといえます。
駆け込み購入のメリットがあるのは
最終消費者である個人ですので、今一度ご確認ください。
公認会計士・税理士
畑中 数正