【決算・開示コラム】[所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し~相続登記の義務化等~]

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COLUMN 決算・開示コラム

2021/08/31

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し~相続登記の義務化等~

公認会計士・税理士の畑中数正です。

令和3年4月21日に「民法等の一部を改正する法律」及び「相続等により取得
した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立し、同28日に公布されま
した。

所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の「発
生の予防」と「利用の円滑化」の両面から、総合的に民事基本法制の見直しを
行うものです。

不動産登記法が改正され、これまで任意とされていた相続登記や住所等変更登
記の申請を義務化しつつ、登記の手続的な負担を軽減するための方策などが盛
り込まれています。

相続登記の義務化
①    相続登記申請の義務化
  不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続
  登記の申請をすることが義務
付けられます。
②  「相続人申告登記」の新設
  相続登記の義務化を簡易に履行するために、相続人が登記名義人の法定相続
  人であることを申し出る制度が新設されます。単独で申請が可能であり、
  添付書面も簡略化されます。
③  「所有不動産記録証明制度」の新設
  自らもしくは被相続人が登記名義人となっている不動産の一覧を証明書と
  して取得できるようになります。相続登記が必要な不動産の把握が容易に
  なります。
④  罰則
  正当な理由なく相続登記を怠ったときは、10万円以下の過料の罰則があり
  ます。

住所変更未登記への対応
①    氏名・住所の変更登記の義務化
  氏名・住所が変わった場合、住所等の変更日から2年以内に変更登記の申
  請をすることが義務
付けられます。
②    罰則
  正当な理由なく変更登記を怠ったときは、5万円以下の過料の罰則があり
  ます。

施行日は、相続登記の申請の義務化関係の改正については公布(令和3年4月
28日)後3年以内の政令で定める日、住所等変更登記の申請の義務化関係の改
正については公布後5年以内の政令で定める日となっています。

▼詳細は下記法務省ウェブサイトをご参考ください。
所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法
等一部改正法・相続土地国庫帰属法)

公認会計士・税理士
畑中数正

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