【決算・開示コラム】[子会社管理とJ-SOX]

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COLUMN 決算・開示コラム

2014/02/20

子会社管理とJ-SOX

おはようございます。公認会計士の畑中 数正です。

?

子会社管理プロジェクトを進める際に、
「うまく」対応しないといけないことがあります。

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それが、財務報告に係る内部統制の監査、通称J-SOXへの対応。

?

J-SOXは連結財務諸表を対象とした制度なので、
当然に子会社もその適用範囲に含まれます。?

そして、重要な子会社の場合、だいたいは、
全社統制、決算・財務報告プロセスは必須で適用され、
1~2つ、重要な業務プロセスが適用範囲に含まれるでしょうか。?

 

ここまでは当然のお話で、誰もが知っています。?

では何がポイントなのか???

 

答えは、前述の「うまく対応しないといけないこと」の
「うまく」にあります。?

 

子会社管理に限らず、業務改善(=業務効率化のための改善)を進める際に、
J-SOXが問題となることとして、
「内部統制の有効性の評価期間」があります。?

 

例えば、12月決算の会社の場合、
10月に業務改善方針が決まったとしても
実務上は、11月に新フローをスタートすることは、
なかなかできません。?

J-SOXは、あくまでも期末、つまり12月末日の内部統制の有効性を評価するため
10月に新フローに変更したら、当該フローの内部統制が
評価対象となってしまうからです。?

 

こう書くと、「1-10月は以前の内部統制で評価し、
11-12月で新フローの内部統制を評価すればいいのでは?」と
思うかもしれません。?

 

しかしながら、?
———————————————————
内部統制担当部署は、新業務フローとRCMをいつ作るか?

内部監査部は、11-12月に評価工数を割けるか?
監査法人は、11-12月に監査するにあたりアサインが可能か?
エラーが発見された場合、各関係者はどのように対応するのか? などなど。?
———————————————————

考慮すべき要素が多すぎて、
管理コストを低減させるための業務改善なのに、
逆に管理コストを増加させる要因となってしまいます。?

 

それに、新フローはいきなり全社展開するのではなく
支店・工場・店舗など、まずは小さいユニットでテストランして
フィードバックを得たうえで全社展開する方が効率的です。?

 

もちろん「適正な財務報告目的」の内部統制の改善なら、
11月であっても改善しなければならない場合もありますが、
そもそもの改善目的が「経営の有効性・効率化目的」の場合、
かえって11月に改善せずに、本決算の繁忙期を避けて
3月に改善した方が効果的な場合が多々あります。?

このように業務改善を行うときは、
そもそも改善を行う目的を明確にしたうえで
実施スケジュールを組むという、「うまさ」が非常に重要になるので
是非、御留意下さい。

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では、子会社管理に絞った場合、
更にどんな「うまさ」があるのか??
については、また次の機会に。

公認会計士
                                   畑中 数正

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